手記テレポートの取り組み
PHPの緊急対応を30分で終えた僕らが、24時間後に「Data is CITY」を始めたわけ
AIが
攻撃を防ぎきれない時代に要るのは、自分たちのシステムの地図だ。人が扱いきれないほど複雑な地図も、街にすれば扱える。

2026年10月21日、プログラミング言語PHPの重大な脆弱性に対する修正版が公開された。その夜、僕らテレポートは、AIエージェントと一緒に自社の対応を約30分で終えた。
それから24時間のうちに立ち上げたのが、「Data is CITY」というプロジェクトだ。AIによるサイバー攻撃が増えていく時代に、AIエージェントたちと一緒に、どうやって自分たちのシステムを守っていくのか。なぜこのプロジェクトを始めたのかを、書いておきたい。
01攻撃を防ぎきれない時代に、まず要るのは「地図」だ
AIの進化は止まらない。ハッカーたちもAIを使い、攻撃をどんどん速くしていく。守る側の僕らは、どうすればいいのか。
近年のセキュリティでは、攻撃や侵入を防ぎきることは、ほとんど不可能だと考えられている。だからこそ、いま自分たちのシステムで何が起きているのかを把握するための「地図」が大切になると、僕らは考えてきた。
けれど、複雑で膨大な社内のサービスを、ダッシュボードだけで把握するのは無理だ。人間が一度に扱える量を超えてしまう。
02シミュレーションゲームなら、この複雑さを扱える
じゃあ、どうするか。思いついたのが、シムシティやCities: Skylinesのような街づくりのシミュレーションゲームだった。ゲームの中では、プレイヤーは道路も電気も水道も、そこに暮らす大勢の人も、街の姿として眺めながら動かしている。それなら、会社の複雑なシステムも扱えるんじゃないか。
そこで僕らは、自社のインフラやデータ基盤を、「CITY」と呼ぶ3Dの空間に街として組み立てた。CITYの中では、AIエージェントたちが24時間365日、社内と社外からセキュリティの情報を集めている。僕ら人間は、エージェントから説明を受けながら、毎日の対応を決めている。
データ基盤を街に見立てて、AIエージェントと人間が手を取り合い、サイバーセキュリティに取り組む。こうして「Data is CITY」が始まった。
03PHPの騒動は序章にすぎない。だから知見を共有したい
今回のPHPの騒動は、これから本格的になっていくサイバー攻撃との戦いの、序章にすぎないと思う。
だから、僕らが得た知見は、自分たちの中にしまっておかず、広く共有していきたい。CITYは「街」なのだから、一社で閉じるものではない。みんなで知見を持ち寄って、サイバー攻撃の難しい局面を一緒に乗り切っていきたい。
そんな話を、メンバーと熱海の温泉につかりながらした。PHPの騒動から24時間後、Data is CITYは立ち上がった。
この記事について
テレポートの共同創業者・野口岳の手記です。「約30分」は、テレポートの社内の記録によるもので、第三者は確かめていません。
CITYが生まれたわけと、8月から街を整えてきた経緯は、対談「AIエージェントのためにつくった「街」が、会社を守ることにつながった」で、平野友康と野口岳が詳しく話しています。



